@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00061054, month = {Apr}, note = {二官能基性鎖状分子の光酸化還元反応について、外部磁場効果を研究した。用いた化合物は、O_2Nー1ーC_<10>H_8ー4ー0(CH_2)_<12>ーNHC_6H_5である。定常光照射を行うと、かご内過程においては、ニトロ基はニトロソ基に還元され、窒素原子と隣接するメチレン基は酸化されてアルデヒド基となる。このように、かご内過程は分子内光酸化還元反応である。一方、散逸過程は2分子反応であって、かご内過程と形式上同様の酸化還元が原料分子2個の間で起きる。今回、反応溶媒としてエタノ-ルを用い、原料の消失量に対する磁場効果を見出した。これまで、アセトニトリル・ベンゼンにおいて同様の実験を行っているが、有意の実験結果は得られていなかった。今回研究に用いた系では最低励起3重項から反応が起こり、超微細相互作用が重要な役割を果たしているので、生成した3重項ビラジカルが1重項ビラジカルになる項間交差速度が低下し、3重項ビラジカルの定常濃度が磁場の印加により上昇する。散逸生成物収量の低い反応初期では、原料分子が3重項ビラジカルの捕捉剤として働く。原料分子がラジカル捕捉剤として働き続けるならば、原料消失は、磁場存在下で大きくなるはずであるが、エタノ-ル中では消失量が低下している。これを説明するためには1次生成物の関与する2分子過程を考慮すればよい。ある程度以上反応が進行すると、ニトロソ体散逸生成物(ONー1ーC_<10>H_8ー4ー0ー(CH_2)_<12>ーNHーC_6H_5)がラジカル捕捉剤となる。ニトロソ体散逸生成物は原料分子に比べて、ラジカル捕捉能が著しく高いので、低濃度であっても有効な捕捉剤となりうる。このため、磁場存在下では、原料消費が抑制されることになる。今回の実験の特色は、原料消失量に対する新しい磁場効果を見出した点にある。複数の分子種が相互に関係しあっている生体系においては、複雑な磁場効果が現れる可能性が高いので、このような磁場効果を解析・検討しておくことは充分意義のあることと考えられる。, 研究課題/領域番号:02230228, 研究期間(年度):1990, 出典:研究課題「励起芳香族分子の動的挙動と磁場効果・溶媒効果」課題番号02230228 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-02230228/)を加工して作成, 金沢大学薬学部}, title = {励起芳香族分子の動的挙動と磁場効果・溶媒効果}, year = {2016} }