@techreport{oai:kanazawa-u.repo.nii.ac.jp:00061106, month = {Apr}, note = {カドヘリンはカルシウム依存性の細胞接着分子で、組織の形態形成や腫瘍形成において重要な役割を果たすとされている。本研究においては、髄膜腫の発生に際しカドヘリンがどのような役割を果たしているかを明らかにするために、髄膜腫とその発生母地であるクモ膜絨毛について、生化学的ならびに免疫組織化学的な研究を行った。対象は3例のクモ膜絨毛と31例の髄膜腫であり、後者の内訳は合胞細胞型(syncytial type)が11例、移行型(transitional type)が12例および線維芽細胞型(fibroblastic type)が8例である。モノクロ-ナル抗体はヒト上皮型カドヘリン(E型カドヘリン)に特異的に反応するHECDー1を用いた。ウエスタンブロッティングでは、クモ膜絨毛および合胞細胞型と移行型の髄膜腫において全例に分子量約124KDのE型カドヘリンが検出されたのに対し、線維芽細胞型では1例も検出されなかった。免疫組織化学的には、クモ膜絨毛ではクモ膜細胞層(arachnoid cell layer)、細胞集簇部(cap cell cluster)および中芯部(central core)のクモ膜細胞にE型カドヘリンの発現がみられたが、線維性被膜(fibrous capsule)ではみられなかった。一方、髄膜腫においては、合胞細胞型と移行型の合胞体を形成する部分にE型カドヘリンの発現が強くみられたが、移行型の束状配列(stream)を形成する部分では弱く、線維芽細胞型ではみられなかった。免疫電顕による検索においては、クモ膜絨毛ではE型カドヘリンは、隣接するクモ膜細胞間に斑点状に凝集して存在していたのに対し、髄膜腫では接着装置を含め細胞間のほぼ全域に分布し、しかもその発現量は増加していた。以上の結果より、カドヘリンの発現様式の差異が髄膜腫の組織学的多様性と密接に関連していること、および腫瘍化に伴いカドヘリンの分布や発現量に変化が生ずることが示唆された。, 研究課題/領域番号:02670624, 研究期間(年度):1990, 出典:研究課題「脳腫瘍における細胞間接着因子(カドヘリン)の研究」課題番号02670624 (KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-02670624/)を加工して作成, 金沢大学医学部}, title = {脳腫瘍における細胞間接着因子(カドヘリン)の研究}, year = {2016} }